2011/02/23

箱の金型設計 第1回 基本的な仕様の確認その1~収縮率

箱の金型設計 第0回はコチラ



















さて、上の箱の金型を設計することになったわけですが、
金型を設計する前段階として、
色々と確認しておかなければならいことがあります。

細かく言えばキリがないのですが、
最低でも次の5項目は設計前に確認したいところです。

● 設計前に確認したい5つの項目
1.製品の収縮率←今回はココ
2.製品の取り数
3.製品の金型成立性
4.使用する成形機
5.ゲートの位置、形状


1.製品の収縮率
金型から取り出される製品は当然ながら固体です。
しかし、金型には液体の状態で樹脂が流し込まれます。

『氷が水になると、体積が増える』
というのは小学校で習ったかと思いますが、
樹脂でも同じ事が言えます。

型に流し込まれた液体の樹脂が
冷やされて固体となった時に少し縮むわけです。

ですから、
金型は実際の製品の大きさより
若干大き目に作る必要があります。

この大きさの比率を収縮率といいます。
この収縮率は樹脂の種類、グレードによって異なります。

この収縮率が解らないことには
金型に製品が配置できませんから、
何においても、一番初めに知っておきたい情報です。


今回の収縮率はS=5/1000とします。


第2回につづく

2011/02/15

箱の金型設計 第0回

金型設計の流れを知ってもらうには、
一つの製品使って実際に設計してみるのが
一番早いと思います。

というわけで、



















コチラの箱状の製品について
金型設計を何回かに分けてすることにしました。

ちなみに、この企画は、
私のメインブログでやっていた企画の
改訂版になります。

『どこかで見た。。。』
と思った方はそっと見守ってやって下さい(汗)。


第1回につづく
第1回 基本的な仕様の確認その1~収縮率

2011/02/09

序-金型とはなにか?

金型とは、
大量に同じものを作るときに欠かせない道具
です。

金型はあくまで最終製品を作り出すための道具のひとつですから、
決してそれが主役というわけではありません。
しかし、ものづくりにおいて非常に重要な役割を担っています。


よく例えに使われるのが、たい焼きです。

たい焼きをというものは、
型にあんこと生地を入れて、挟んで焼き上げる。

あの型、あれも一種の金型です。
一番身近で単純な金型だと思います

あの型があるおかげでたい焼き屋さんは
同じ大きさのタイヤキを常に大量に提供することが出来ます。

もし、型がなかったら。。。
当然、同じような形でたい焼きを提供することはできません。


たい焼きの型の様なものは別としても、
普段金型を目にする機会は、早々ないと思います。
はっきり言って、金型業界は裏方です。
しかし、皆さんの使っているものの多くが
金型から成形されています。

ものづくりに欠かせないにも関わらず
あまり知られていないもの。
それが金型です。


このブログでは、
私の仕事でもある金型設計について書きつつ、
金型のことを知ってもらえたらと思います。