箱の金型設計 第3回はコチラ
設計前の5項目の確認事項の3つ目です。
3a.抜き勾配が欲しい
金型から製品をスムーズに取り出すために、
製品に抜き勾配を設定します。
(抜き勾配について参照記事/ヌキ 抜き勾配(ぬきこうばい))
現行の製品はこのような断面になっています。
縦壁は90°、すなわち抜き勾配はありません。
この状態ですと、製品を取り出す際に
金型と製品がこすれてしまい。
製品や金型に悪影響を及ぼしてしまいます。
それを解消するために次のように抜き勾配を設定します。
90°だった壁に勾配がついているのが解るでしょうか?
このように勾配を設定することで、
製品の金型からの離形性をよくし
金型や製品の破損を防ぎ、
良品を成型することが可能となります。
成型数や製品形状、樹脂の種類等によって、
勾配を付けない場合もあります。
また、金型製作上必要とはいえ
製品形状をいじることになりますから、
客先との入念な打ち合わせが必要となります。
ちなみに、今回は抜き勾配を3°つけました。
つづく
2011/03/29
2011/03/25
ヌキ 抜き勾配(ぬきこうばい)
2011/03/22
箱の金型設計 第3回 基本的な仕様の確認その3~製品の金型成立性1
東北地方太平洋沖地震で被災された方へ
心よりお見舞い申し上げます。
箱の金型設計 第2回はコチラ
設計前の5項目の確認事項の2つ目です。
3.製品の金型成立性
客先から支給された製品データが、
そのまま金型データとして使用できることは
実は滅多にありません。
製品データを金型として成立するように
修正する必要があります。
今回のような比較的形状が単純な製品でも、
金型でのことを考慮して色々と
修正したいところが出てきます。
今回の箱の断面はこのようになります。
いきなり結論を言ってしまいますと、
この製品に対して、修正を加えたいのは2点
3a.抜き勾配が欲しい
3b.角にRが欲しい
となります。
次回、各項目について説明したいと思います。
第4回につづく
心よりお見舞い申し上げます。
箱の金型設計 第2回はコチラ
設計前の5項目の確認事項の2つ目です。
3.製品の金型成立性
客先から支給された製品データが、
そのまま金型データとして使用できることは
実は滅多にありません。
製品データを金型として成立するように
修正する必要があります。
今回のような比較的形状が単純な製品でも、
金型でのことを考慮して色々と
修正したいところが出てきます。
今回の箱の断面はこのようになります。
いきなり結論を言ってしまいますと、
この製品に対して、修正を加えたいのは2点
3a.抜き勾配が欲しい
3b.角にRが欲しい
となります。
次回、各項目について説明したいと思います。
第4回につづく
2011/03/11
シユ 収縮率(しゅうしゅくりつ)
収縮率とは、体積の変化率のこと。
モノが液体から固体になる時には体積が変化します。
その変化の比率を表したものを収縮率といいます。
例えば、
水が氷になる時に体積が変化するのは小学校の理科で習っていると思います。
式で書くとこんな感じです。
(氷の体積)×(収縮率)=(水の体積)
金型の場合
支給されてくるのは製品のデータ(固体)
金型には溶けた状態で流し込む(液体)ので
支給データに収縮率を掛けてから設計をする必要があります。
この収縮率は使用する樹脂の種類、グレード。
また、成型する製品の肉厚、大きさなど
様々な条件によって変わってきます。
ちなみに100mmのモノに対して収縮率 S=5/1000 という指示があった場合
金型設計する上での寸法は
100 × 1.005 = 100.5
となり、実際の製品寸法より0.5mm大きく金型を作らなければなりません。
この収縮率を入れ忘れたり、間違えたりすると、
根本的に違う大きさのモノが出来てしまうので
慎重かつ確実にデータに反映させる必要があり、
絶対に間違えてはいけない項目のひとつです。
モノが液体から固体になる時には体積が変化します。
その変化の比率を表したものを収縮率といいます。
例えば、
水が氷になる時に体積が変化するのは小学校の理科で習っていると思います。
式で書くとこんな感じです。
(氷の体積)×(収縮率)=(水の体積)
金型の場合
支給されてくるのは製品のデータ(固体)
金型には溶けた状態で流し込む(液体)ので
支給データに収縮率を掛けてから設計をする必要があります。
(支給データ)×(収縮率)=(金型データ)
この収縮率は使用する樹脂の種類、グレード。
また、成型する製品の肉厚、大きさなど
様々な条件によって変わってきます。
ちなみに100mmのモノに対して収縮率 S=5/1000 という指示があった場合
金型設計する上での寸法は
100 × 1.005 = 100.5
となり、実際の製品寸法より0.5mm大きく金型を作らなければなりません。
この収縮率を入れ忘れたり、間違えたりすると、
根本的に違う大きさのモノが出来てしまうので
慎重かつ確実にデータに反映させる必要があり、
絶対に間違えてはいけない項目のひとつです。
2011/03/08
箱の金型設計 第2回 基本的な仕様の確認その2~製品の取り数
箱の金型設計 第1回はコチラ
設計前の5項目の確認事項の2つ目です。
2.製品の取り数
一つの金型で何個の製品を同時に成型するかということ。
下の絵を見ても解るように、
取り数によって、金型のサイズ、レイアウトが大きく変わってきます。
また、一つの金型に複数の異なる部品を設定することもあります。
設計を進めてから、実は取り数が違った!!なんてことになりますと
かなり無駄な時間を使うことになりますので、
確実に確認しなければなりません。
今回は、箱の1個取とします。
設計前の5項目の確認事項の2つ目です。
2.製品の取り数
一つの金型で何個の製品を同時に成型するかということ。
下の絵を見ても解るように、
取り数によって、金型のサイズ、レイアウトが大きく変わってきます。
また、一つの金型に複数の異なる部品を設定することもあります。
設計を進めてから、実は取り数が違った!!なんてことになりますと
かなり無駄な時間を使うことになりますので、
確実に確認しなければなりません。
今回は、箱の1個取とします。
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