2011/03/29

箱の金型設計 第4回 基本的な仕様の確認その3~製品の金型成立性2

箱の金型設計 第3回はコチラ



















設計前の5項目の確認事項の3つ目です。

● 設計前に確認したい5つの項目
1.製品の収縮率 S=5/1000(第1回より
2.製品の取り数 1個取(第2回より
3.製品の金型成立性
  3a.抜き勾配が欲しい←今回はココ
  3b.角にRが欲しい 
4.使用する成形機
5.ゲートの位置、形状




3a.抜き勾配が欲しい

金型から製品をスムーズに取り出すために、
製品に抜き勾配を設定します。
(抜き勾配について参照記事/ヌキ 抜き勾配(ぬきこうばい)


現行の製品はこのような断面になっています。
縦壁は90°、すなわち抜き勾配はありません。

この状態ですと、製品を取り出す際に
金型と製品がこすれてしまい。
製品や金型に悪影響を及ぼしてしまいます。




それを解消するために次のように抜き勾配を設定します。


90°だった壁に勾配がついているのが解るでしょうか?

このように勾配を設定することで、
製品の金型からの離形性をよくし
金型や製品の破損を防ぎ、
良品を成型することが可能となります。





・ 抜き勾配の効果

型閉じ状態
型開き状態
製品に勾配を付けることで、金型と製品のこすれ(干渉)を解消する。


成型数や製品形状、樹脂の種類等によって、
勾配を付けない場合もあります。
また、金型製作上必要とはいえ
製品形状をいじることになりますから、
客先との入念な打ち合わせが必要となります。



ちなみに、今回は抜き勾配を3°つけました。

つづく

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