設計前の5項目の確認事項の3つ目です。
3b.角にRが欲しい
今回は製品の角部にR付けをしたいと思います。
下の図でいうと、
左のような状態から、右の状態に修正します。
角の状態 |
Rを付けた状態 |
PCのモニター、キーボードのキー携帯電話、など。
身近にある樹脂製品を見てみみると、
角部に丸みがあると思います。
一見ついていないようでも
よ~く見ると、小さなRが付いていたりします。
基本的に製品の角部はRです。
何故、角を丸める必要があるのか?
主な理由としては、
下記の4点があげられます。
1.製品の耐久性
製品をぶつけてしまった時に
角にRが付いている場合と付いていない場合では
その耐久性が違ってきます。
Rが付いていないということは、
製品が尖っているわけです。
それだけ製品が欠けやすくなってしまいます。
2.使いやすさ、安全性
例えば、何かを運ぶ時
角が尖っている場合と丸みが付いている場合では、
持ちやすさは全然違います。
製品が角であったが為に
使用者が怪我をしてしまう
といったケースもありますので、
たかが丸みをつけるとは言え、馬鹿にはできません。
3.金型の耐久性
これは製品の耐久性と同じ事です。
金型だって、角で作るよりは丸みをつけた方が
当然、壊れにくいです。
金型が壊れてしまった場合、
そこから取り出す全ての製品に影響します。
もう、大惨事。恐ろしいことです。
4.加工のしやすさ
左のような凹形状の加工をするとき
角があると、どうしても刃物が隅に届きません。
角があると、どうしても刃物が隅に届きません。
この角をキレイに仕上げるためには、
放電など、別の加工方法をとらなければなりません。
別の加工方法をとるということは、それだけ時間もコストも掛ります。
このご時世、無駄なお金をかけている余裕はありません。出来る限り少ないの加工方法、工数で済ませたいものです。
ですから、この凹形状にRをつけて。。。
刃物で容易に加工できるような形状に修正します。
ここでポイントとなるのがRの大きさです。
ただ、Rをつければ良いというわけではありません。
Rの大きさは刃物より大きくする必要があります。
なぜなら、もしRが刃物より小さいと、結局刃物は隅に届かず。
Rを付けないのと同じ状態になってしまうからです。
以上のような理由から、
対象となる製品に特に制限が無いのであれば
角部には刃物より大きなRをあげることが、
よい製品を作るコツとなります。
今回の製品に
前回の勾配と今回のRを付けたものが
こちらになります。
つづく
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